鉄拳7 見てから投げ抜けを頑張る記事

目次

はじめに

鉄拳をそれなりにやっていると、「投げは手の動きを見て抜けるんだよ(だから投げを喰らうことはない)」と言われたりすることがあると思います。

実際、中~上級者の対戦では「投げは抜けるもの」といった雰囲気であり、特に鉄拳7では投げ抜けの入力受付フレームが伸びたこともあって、単純に投げで崩される……といった場面はほとんど見かけなくなりました。

ただ、初心者のうちはどうやって練習すれば良いのか分からないですし、「できねーよ!」と言っている他ゲー勢もたまに見かけるので、今回はそういった人向けにシステム面もふまえた投げ抜けの考え方練習のやり方を説明していこうと思います。

投げ抜け受付フレーム

投げ抜けの受付フレームですが、過去シリーズからの変遷をまとめると次のようになります。

正面投げ側面投げその他
鉄拳315F5F
鉄拳TAG15F10F
鉄拳415F10Fポジションチェンジ 5F
鉄拳515F10F
鉄拳615F10F
鉄拳TAG215F10F
鉄拳720F14F
鉄拳820F14F投げカウンター時 14F
※2024/5/28現在

ずっと変更がなかったのですが、鉄拳7ではオンライン対戦なども考慮したのでしょう、かなり緩和されました。

なお鉄拳8もCBT時点では鉄拳7とおなじでしたが、投げがカウンターヒットした時には投げ抜け受付フレームが10Fになるという新仕様が追加されています。

(2024/5/28追記) v1.04でカウンターヒット時の受付Fが10F→14Fとすこし伸びました。今後も様子を見て調整するかもしれないとのこと。

投げ抜けの仕様

投げ抜けの受付フレーム

プラクティスモードで硬直時間を「表示する」に設定して投げを決めた時、投げ掴みエフェクトが出てから投げを喰らった側の明転中が投げ抜けの受付フレームです。

(1)投げ発生

(2)投げ掴み成立F

(3)投げ掴みの次のF

このFではまだ受付していない

(4)投げ掴みの次の次のF

このFから投げ抜け受け付け

(5)投げ抜け受付最終F

(6)投げ成立

(4)~(5)が投げ抜け受付フレームです。

鉄拳7では「投げ掴みの次の次のフレームから20F間」ということになります。

(3)の時点で投げモーションには入っており、喰らった側も投げやられモーションが再生されていますが、その冒頭の一定フレームは投げ抜けを受け付けているということですね。

投げ抜け時に押すボタン

投げ抜け受付フレームに適切なパンチボタンを押すことで、投げ抜けが成立します。

通常投げの場合

LP+LKやRP+RKで出せる通常投げの場合、LP or RPどちらでも投げ抜けが成立します。ロングレンジスローも同様です。

これらはLP or RPどちらでもOK

コマンド投げの場合

コマンド投げの場合は、投げ掴みの腕に対応したボタンを押す必要があります。左手での投げ掴みであればLP、右手ならばRP、両手ならばWPです。

たとえばポールは、下記のコマンド投げを持っていますが……。

我浄掌(RP+RK4)は右手で掴みに行くのでRP抜け。

巴投げ(4LP+RK)と金剛崩撃(3LP+LK)は左手で掴みに行くのでLP抜け。

風牙(3WP)と裏当て(66WP)は両手で掴みに行くのでWP抜けです。

一般に「投げを見てから抜ける」と言った場合、この3つの掴みモーションを見極めて、投げ抜け受付フレーム中に正しいボタンを押すことを指します。

側面投げの場合

側面投げを抜ける場合、投げられた側面のパンチボタンを押すという特殊な条件となります。

右側面から投げられた場合はRPで抜け
左側面から投げられた場合はLPで抜け

側面投げは投げ抜け受付フレームが14Fと短めですし、側面に回り込まれている状況だと相手の手の動きが見えにくかったりするため、正面の投げよりも難しいと言えます。

なお背後投げは抜けられません。

間違ったボタンを押したらNG

注意したい点として間違ったパンチボタンを押してしまうと、その瞬間に投げ抜け失敗となり、投げが成立してしまいます。

たとえ通常投げであっても、WP入力してしまうと失敗です。

投げ抜けの理論

ボタンはなるべく遅いタイミングで押す

さて、ここまで見てきた投げ抜けの仕様をふまえると、間違ったボタンを押すのはNGですから、コマンド投げ3択はモーションを見極めるのが大事です。

となると、なるべく長い時間モーションを見ていたいわけですね。

したがって、投げ抜けのボタン入力はなるべく遅いタイミングで押すべきということが言えます。

画像のAよりもBのタイミングで押した方が、モーションを見極めるのに使える時間が長いということですね。

もちろん、あまりに反応が遅れると受付時間が過ぎてしまいますし、ちょっとしたことで反応が遅れることもあるので、20Fギリギリを攻める必要はありませんが、どのタイミングで投げ抜けをしても結果は一緒ということを考えると、速くボタンを押すメリットはほとんどありません。

そこで投げ抜けの練習をする上では、なるべく遅いタイミングでボタンを押すのが良い……となるわけです。

遅延やラグを考慮する

鉄拳7では、描画・入力遅延が無視できないレベルで存在します。遅延の数値は環境によって異なりますが、簡単にまとめるとこのようになります。

バージョンモニタコントローラー遅延F
Steam版ゲーミングモニタ
240Hz
UFBなど低遅延のもの+
ポーリングレート1000Hz設定
3.5F程度
ゲーミングモニタ
60Hz
RAP.Nなど一般アケコン4F程度
PS4版ゲーミングモニタRAP.N、Dualshock4など6F程度
アーケード版――――7F程度

詳しくは下記のnote記事を参照してください。

ちなみに鉄拳8では遅延が大きく減りそうで、CNT時点ではPS5版にUFBを使って3.5F程度でした。

6Fの遅延があった場合

仮に6Fの遅延があるとすると、本来は下記20F目のコマでボタンを押せば良いところ……。

6F前の下記コマくらいでもうボタンを押していなければ間に合いません。

これに加えてオンライン対戦ではラグも生じますから、実際には投げ抜け受付期間のうち10~12F目くらい(投げ発生から数えると22~24Fくらい)で、もうボタンを押さなければならない……ということになるでしょう。

遅延はクソ

モーション自体は過去作より見やすくなった

投げ掴みのモーションですが、鉄拳4でモーションがリニューアルされ、見極めはしやすくなりました。

特にLP/RPモーションとWPとの紛らわしさが、かなり軽減されています。

もし「鉄拳3~鉄拳TAG1の頃に挑戦したけど挫折した……」という方がいたら、今はだいぶん楽になっているはずです。

また画面全体に対するキャラクターの大きさも、昔とは比べものにならないくらい大きくなっており、解像度も上がってモーションの細部が見分けやすくなりました。

鉄拳3 ブラウン管筐体のデカいモニタ(29インチ)とはいえ、ちまちました手の動きを見極めるのはキツい
鉄拳7 体力バーとキャラサイズの比率に注目

投げ抜け練習のしかた

投げ抜け練習をするためのプラクティス設定、実際のやり方を説明していきます。

プラクティス設定

硬直時間・コマンド入力履歴をONに

硬直時間とコマンド入力履歴はONにしておきましょう。

投げ抜けが3択になるキャラを選ぶ

投げを出させる相手キャラは、LP・RP・WPの3種類コマンド投げを持ち、投げ抜けが3択になるキャラを選びます。

具体的には、デビル仁、ドラグノフ、ファラン、ジャック7、仁、キング、ニーナ、ポール、マードック、ジュリアです。

たとえば仁ならこの3種類のコマンド投げ

細かいことを言うと、コマンドのレバー部分が長い投げ(デビル仁の絶無:641236WPなど)は避けた方が良いです。コマンド再生による入力は最速になっているようですが、それでも出始めにカクカク動いてしまっており、ガン見していると、そのコマンドであることが分かってしまいます。

これについて、66+ボタン入力の場合は許容範囲だと思いますが、実際に出させてみて「変だな」と思ったら避けましょう。

また投げの発生Fは基本的に12Fなのですが、発生が11Fのコマンド投げというものがちょくちょく存在します。詳しくは後述しますが、ポールの巴投げ(4LP+RK)などは発生11Fです。練習する上ではさほど問題はないと思いますが、気になる場合は避けてください。

キングのジャイアントスイング(641236LP)系モーションも、WP投げと同系統ですが発生10Fで、やや独特の動きとなっているので、これは別途練習した方が良いでしょう。

連続再生に設定

相手の行動に「連続再生」を選び、「コマンドリスト」から先のコマンド投げを選びます。

3種類をそれぞれ連続再生1~3にセットしたら、あとはゲーム画面に戻って「再生」させれば3種の投げをランダムに出してくれます。

モーション見極めのポイント

相手キャラをガン見しながら練習していればモーションの特徴は自然とつかめてくるものですが、ここでは特に目印とするべきポイントを挙げておきます。

気をつけたいのは、1P側か2P側かでモーションの見た目はかなり変わるということです。最初のうちは別のモーションだと思って特徴を把握した方が良いと思います。もちろん、練習も1P/2Pでそれぞれ行った方が良いでしょう。

1P側

RP

LP

WP

2P側

RP

LP

WP

見切りやすいモーション、そうでないモーション

比較的見切りやすいのはWPの動きで、顔を真正面に向け、上体を前に出しながら両手ともほぼ高さを変えずに掴みに行くモーションです。1P側と2P側であまり差を感じない動きということもあり、覚えやすいと思います。

1P側のRPも、かなり目立つ動きです。上体を大きくひねって前に出す動きに注目してください。腕だけでなく肩も大きく動いているので、そのあたりで判別するのが良いでしょう。鉄拳のキャラクターはレフトスタンス(左足前)で構えているため、右手で掴みに行くと動きが大きくなります。

2P側のLPも、まあまあ見切りやすい部類です。手前にくる左腕の動きが特徴的。LP投げとRP投げのモーションは、手先が肩よりほんのすこし高い位置まで上がるのですが、それがもっとも分かりやすい動きとなっています。

一方、奥側から手が出てくる動きは若干見切りにくいでしょう。

1P側のLP投げは6つの中でもっとも動きが小さく見えます。レフトスタンスから自然に伸びてくるため見切りにくいです。左腕~手先の動きを見極めるしかないでしょう。

2P側のRP投げは、やはり上半身のひねりで判断するのが良いと思います。カメラの角度にもよるのですが、右の肩~胸あたりが見えたらRP投げです。また、実は手前で動いている左手が特徴的な動きをしているので、そこで判断するのもアリだと思います。

全体に言えることとして、基本的には下半身より上半身の動きを頼りにした方が無難だと思います。慣れてくれば周辺視野で判断できることもありますが、少なくとも練習中はガン見しておいた方が良いでしょう。

また他にも自分なりに注目するポイントを見つけていくと、見極められる確率がアップするかもしれません。

投げ抜け練習の実際

最初は一択で練習

さて、3択に設定しろとは書きましたが、最初は一択で練習するのがオススメです。

投げ抜けのボタンをなるべく遅いタイミングで押すためには、投げ抜け受付フレームを身体に覚えさせておく必要があるからです。

通常投げを設定し、すこし遅めを狙ってボタンを押すようにして、「この辺までに押せばいいのか~」という感覚を掴みましょう。

たまに投げを喰らってしまってもいいので、「遅め抜け」のタイミングを掴む

慣れてきたら二択に

タイミングに慣れてきたら、今度はいよいよ二択に挑戦します。基本的にはLP or RPの二択が良いでしょう。

WP抜けはすこし難しいです。鉄拳の同時押しは完全1F同時を求められるためで、三択にする前に一度WP抜け単体(一択)で練習しておくのがオススメです。同時押しにある程度の精度が出そうだなと思ったら三択に進みましょう。

三択練習の心得

三択はかなり難しいと思います。

なかなか見切れずに落ち込んだり、イライラしたりすることもあると思いますが、そういった場合は素直に二択に落として再度練習しましょう。その際は「LP/RPとWPの二択」といった二択にしてみるのもアリです。

慣れてきたら、何が原因でミスをしたのか、ミスのパターンを分析して対策を立てます。

ミスの例と対策

「タイミングが遅い」「見切るまでに時間がかかる」ようなら、再度一択に落として受付時間を体内時計ではかり、「ここまでには絶対に押す」というタイミングを決めましょう。

焦りなどから「間違ったボタンを押しがち」なら、逆に「見切れるまで絶対にボタンを押さない」ことにし、たとえタイミングが遅くて抜けられなかったとしても、きっちり見切ったことを確信してから正しいボタンを押すようにします。

「相手キャラをよく見ていなかった」なら、ガン見するように注意。

「WP同時押しのミス(精度が意外に低い)」ならば、WPの一択にして練習。コマンド入力履歴を見ておき、LP/RPどちらにズレやすいのかを確認して調整していきましょう。

他にも「入力後に力が入り、ボタンから指が離れていて、次の入力が遅れてしまった」など、意外な原因でミスをしている場合もあります。それぞれ対策を考えていきましょう(この場合なら指をデフォルトの位置に戻すのを意識する)。

イライラから情緒をグチャグチャにされてしまったり、脳内でモーションとボタンがうまく結びつかなくなってしまったり、といったこともよくあります。10回以上WP投げが連続して「さすがに……?」と思って「そろそろLPかRPだろう」と警戒していたら、やっぱりWP投げで抜けられなかったり……メンタルに来てるなと思ったら、さっさと寝ましょう。

自分の状態を客観的に見て、ミスの原因を潰していけば徐々に成功確率は上がっていくはずです。

その他の練習方法

普通の投げ三択以外に発生が速めの打撃技を混ぜても良いですし、ジャイアントスイング系の投げを混ぜてもOKです。

また連続再生の「記録」を選べば、自分で入力することもできるので、「ジャブ→投げ3択(ジャイアントスイング)」といった連携を覚えさせるのも良いと思います。

ちなみにジャイアントスイング系をはじめとして、コマンド投げには先行入力が効くものが多くなっています。66+ボタンなども先行入力可能なので、打撃からスムーズに繋いで練習しましょう。

ドラグノフのRKLP→66WPも先行入力で素早く連携できる

また「再生間隔」の設定を「早い」にすれば、高速で繰り返し投げ抜けの練習が可能です。その際は専用の投げ抜けモーションがある投げを避け、汎用の投げ抜けモーションが設定されているコマンド投げを選ぶと効果的でしょう。

汎用の投げ抜けモーションは戻りが速い

実際の投げ抜けボタン

(2023/11/26追記)
ここまで三択をキッチリ抜けるべく頑張ってきましたが、通常投げがLP or RPどちらでも抜けられるため、現実には投げ三択にはならないキャラクターの方が多いです。

WP投げは豪鬼を除く全キャラクターが持っているため最低二択にはなるのですが、RPのコマンド投げ、LPのコマンド投げはすこしレアです。たとえばコマンド投げが「WPとRP」しかないキャラであれば、どちらかの二択になります。 ※そのためLP or RPのコマンド投げに関しては、各キャラの抜けコマンドをキチンと覚えておいた方が良いでしょう

まとめると以下のようになります。

投げ抜けボタンキャラクター
完全三択
WP or LP or RP
デビル仁、ドラグノフ、ファラン、ジャック7、仁、キング、ニーナ、ポール、マードック、ジュリア、アーマーキング
WP or LPの二択マスターレイヴン
WP or RPの二択飛鳥、平八、スティーブ、シャオユウ
WP or 通常投げの二択アリサ、ボブ、ブライアン、クラウディオ、フェン、ギガース、ジョシー、カタリーナ、一美、一八、ラース、ロウ、レオ、リリ、ラッキークロエ、シャヒーン、吉光
エディ、ミゲル、リー、熊・パンダ
エリザ、ギース、ノクティス、レイ、アンナ、ニーガン、ザフィーナ、リロイ、巌竜、ファーカムラム、州光、リディア
コマンド投げ無し豪鬼

※アーマーキングはダブルアームスイング(6n41236LP)をLP投げとしてカウント

これを見ると「WP投げ抜けの練習は必須」ということが言えそうですね。強力な投げが多く実戦でよく使われる上、比較的見切りやすく練習の成果も出やすいので、コスパが良いのではないでしょうか?

最近、新たに登場したキャラクターは露骨にコマンド投げが少なく、側面投げがないキャラも居たりとコスト削減の色が濃いですね。ギガースなどにはWP以外のコマンド投げをつけてあげても良いのではないかと思うのですが……。

特殊な投げモーションの投げ技もある

通常の投げ掴みモーションとは異なり、特殊なモーションで出る投げ技(コマンド投げ)もあります。

アリサのスパムボム(9WP):WP抜け
平八の放宙手(ほうちゅうしゅ:236LP+LK):LP抜け
ロウのドラゴンダイブ(6RP+LK):LP抜け
州光の卍羅那(まんじらな:6LP+RK):LP抜け
レイの回頭落鳳(かいとうらくほう:龍の構え中LP):LP抜け

これらはここまでの練習とは別にモーションを覚え、特定のボタンを押して抜ける必要があります。基本的にそのモーションでの投げ抜けは一択なのですが、意外に抜けづらいものもあるので、よく使われる投げ技については要練習です。

※ここに挙げたもの以外にも存在します

シャオユウの背向けからの投げ掴み(背向け中66LP+LK or RP+RK)は、LP抜けとRP抜けのモーションがおなじで、掴まれてしまうと完全二択になります。モーションを見てからしゃがむのが最善です。

ジャックのヘルプレス~フェイスバッシャー(3LP+LK~WP)は投げ抜け不能です。倒れかかってくるのが見えたらしゃがみましょう。ガード扱いとなって投げが不成立となります。

背向け投げのモーションは完全二択になる

フェンの炮烙葬(ほうらくそう:背向けLP+RK or RP+LK)は、背向け投げですが、WP抜けです。

ところが、背向け状態からは通常投げ(LP+LK or RP+RK)を出すこともできます。 ※背向け通常投げの投げ抜けボタンは正面から出した時と同じで、LP or RPどちらでもOK

背向けからの投げは特殊な仕様で、どの投げもモーションが一種類です(動きとしては両手で掴みに行く)。したがって、背向けWP投げと背向け通常投げは完全二択となります。強い。

州光の朦朧櫓落とし(もうろうやぐらおとし:背向けLP+RK or RP+LK)も、まったく同じ構造で完全二択となります。

投げの発生F

発生F一覧

各種投げの発生Fは下記のようになっています。

種類発生備考
通常投げ12F持続あり:12~14F
コマンド投げ12Fまれに持続あり
一部コマンド投げ11F
ジャイアントスイング系10F
ロングレンジスロー15Fホーミング性能あり

ジャイアントスイング系

ジャイアントスイング系に分類されるのは、キングのジャイアントスイング(641236LP)とシャイニングウィザード(666RP+RK)、アーマーキングのダブルアームスイング(641236LP)とシャイニングケンカキック(666RP+RK)、ジュリアのマッドアックス(2146RP)です。

似たようなコマンドの投げ技でも、これら以外の投げは10Fではありません。たとえばマスターレイヴンのディメンションチェイサー(641236WP)は発生12F、ラースのS・H・B(666RP+RK)は発生11Fになっています。

11Fのコマンド投げ

11Fのコマンド投げですが、基準があいまいで、特に脈絡なく設定されているものも多いです。開発陣の弁によると「こいつは投げキャラ!」と認定されると優遇されて11Fになるとのことなのですが……。

投げキャラ認定されているのは、たとえばドラグノフは66WP、6LP+RK、6RP+LKがいずれも11Fに設定されているので、そうなのでしょう。コマンドサンボの使い手だから……? ジャックもすべてのコマンド投げが11Fですね。

ジュリアもプロレスキャラ認定なのか、昔から11Fのコマンド投げを多く持っていますが、12Fのコマンド投げも存在します。キングやアーマーキングも11F・12Fが混在。

一方、ポールなどは多く持っているコマンド投げのうち、巴投げ(4LP+RK)のみ11Fだったりしますし、飛鳥も逆さ竜胆(さかさりんどう:しゃがみ中323WP)のみ11F……といった具合で、特に法則性はないようです。鉄拳なんも分からん。

(『大魔法峠』1巻 大和田秀樹)

どの投げが11Fなのかは、INCOMPLETE CONQUESTさんなどで確認しておきましょう。

鉄拳7の攻略・フレームデータ TEKKEN7 INCOMPLETE CONQUEST
https://geppopotamus.info/game/tekken7fr/index.htm

通常投げの持続F

これはあまり気にしなくても良いと思います。突進系の技と重なった時などに、持続で掴まれることがあるかも……程度のことを頭の片隅に入れておきましょう。

なおコマンド投げに持続はありません(攻撃判定が出るのは1Fだけ)

フェンの嶽寸靠(がくすんこう:4WP)を14F目で掴んだ場合

鉄拳8では……?

ロングレンジスローは鉄拳8では廃止されました(キングを除く)。現状、投げ抜けが簡単すぎて横移動をとりあえずつかまえる、あえて抜けさせて位置関係を入れ替える程度の使い方しかされておらず、投げ≒崩しとしての存在意義が失われていたので、仕方ないと言えば仕方ないかもしれません。

また全キャラのWP抜けのコマンド投げを「9WP」入力に統一しようという機運があるようです。ついでに発生も11Fか12Fに統一して欲しいですね。

打撃技とかち合った場合

かつての鉄拳シリーズ(鉄拳4以前)では「打撃技と投げ技がかち合った時、投げ技が一方的に負ける」という仕様があり、ややこしかったのですが、現在は「発生の速い方が勝つ」というシンプルな仕様に落ち着いています。

鉄拳4 LPのガード+1Fから発生10Fのジャイアントスイングを出しても、なぜか発生10Fのジャブに負けてしまう
鉄拳7 フレームは鉄拳4とおなじだが、発生が1Fでも速ければ投げ掴みが成立

ただし、相打ちの場合は投げが負けます。また鉄拳7では相打ち時のみ投げ側が被カウンターヒットとなる仕様です。

LPRPLPガード(-4F)からジャイアントスイングを出すと、発生14Fの忌怨拳(きえんけん:3RP)と
相打ちのはずだが、打撃に負けた上にカウンターを取られてしまう
もし1Fでもズレていればノーマルヒットで済む

また鉄拳8では「カウンターヒット扱いで投げ掴みが成立した場合、投げ抜けの入力受付が14Fに減る」仕様となるようです。これはかなり抜けにくいと思います。

キングのジャブ→ジャイアントスイングといった連携も、相手の攻撃を吸い込むようにして掴めば(カウンターヒット)抜けづらく、強力な攻め手となるかもしれませんね。

見切りにくい投げ

ジャイアントスイング系

ジャイアントスイング系の投げは、単純に発生が速いためモーションを見切る時間的猶予は少なくなります。

WP投げとおなじく特徴的なモーションをしているので見切りやすい部類ではあるのですが、とっさに掴まれた時などは反応が遅れることもあるでしょう。

「キング・アーマーキングの後側に壁がある時には警戒する」といった基本的な対策も必要です。

鉄拳8ではカウンターヒット投げ掴みの仕様も加わり、かなりの驚異になるのではないでしょうか。

シャイニングウィザードと掴みモーションがおなじ

666RP+RKのシャイニングウィザードですが、掴みモーションはジャイアントスイングとまったくおなじでありながら、投げ抜けのボタンはWPで、ジャイアントスイング(LP)と異なっています

よっぽど入力が速くない限りは「6n6n6」部分のモーションが見えることが多いので、そこでWPだと判断するのが基本となります。

ただし、入力はすこし難しいですが、密着から出されたりすると抜けにくいこともあるでしょう。

密着からのシャイニングウィザード

密着シャイニング入力の成立条件

ちなみにですが、「走り中にボタン」の技を密着・最速気味に出す場合、コマンドの成立条件は下画像のようになっています。

最後のレバーとボタンが同時では不成立という点に注意が必要です。コマンドで書くと「6n6n66RP+RK」が正しい、ということになるでしょうか。

この1Fズレさえ正確に入力できていれば、実は密着から出すこと自体はそこまで難しくありません。

前ダッシュから走り状態に移行する条件は、「6n6」のダッシュ入力後10F以内に3回目の「6」入力を入れることです。その次のFでボタンを押せば走り技が成立します。

このくらいゆっくり(6n6から10F後に6)でも、1Fズレさえしっかり入力すれば成立

もちろん入力が速いほうが何かと良いのでしょうが、走り技を出すこと自体を優先するなら、すこしゆっくりで良いので正確に入力するのもアリでしょう。まず1Fズレの感覚をつかんでから、速い入力にチャレンジすれば良いかと思います。

なお鉄拳8では6n6といった入力が先行入力可能となり、1Fズレの条件もなくなるようなので、密着から6n6n6入力の技もかなり出しやすくなりそうです。

前ダッシュからジャイアントスイング?

さて、キング使いも色々考えます。

「シャイニングウィザードと掴みモーションが一緒なら、前ダッシュからジャイアントスイングを出せば絶対に抜けられないのでは?」

んなアホな。

ところが、これは実際に出すことが可能なのです。 ※前ダッシュしてからジャイアントスイングを入力するのではありません

もしこれをやられると割とお手上げで、抜けられる気がしません。

(こんなことをやってくるキング使いはそうとう強いはずなので、投げ抜けより他の心配をした方が良さそうですが……)

前ダッシュジャイアントスイングの入力方法はいくつかありますが、まず前提としてジャイアントスイングの成立条件を押さえておきましょう。

公式のコマンドから省略できるのは「3」だけです。最初の「6」直後のニュートラルは必須ですが、「2」の後にはニュートラル不要です。最初の「6」はいくら伸ばしても良いのですが、「n」以降のコマンドは30F以内に完成していることが条件です。

さて、この「30F以内」ならば、ボタンを押さない限り自由に動けるので、この間に前ダッシュをすれば良い……のですが、6n6の前ダッシュ「状態」で最後の6LPを入力してもジャイアントスイングは出ません。強すぎるということで禁止されているのでしょう。たとえば下記のような入力では不可。

6n6が含まれているので前ダッシュは出るものの、その間に6LPを入力しても不成立

そこで、とりあえず前ダッシュ部分までは入力するとして(6n4126n6)、そこから前ダッシュ「状態」を終わらせるためにトリックを用います。

※いずれのニュートラルも必須

これらにより、前ダッシュ「状態」を避けることができれば、前ダッシュ後、「6LP」を入力した瞬間にジャイアントスイングが出ます。

比較的簡単なのは(1)~(3)のどれかです。入力速度次第で前ダッシュからスムーズに出たように見えるでしょう。「30F以内」の条件があるため、入力はかなりせわしないですが、そこさえ気をつければ練習次第でできるようになると思います。

(3)の入力で出してみた例

(4)はマニアックなキング使いがやってくる入力で、見た目はもっともスムーズに出るのですが(シャイニングウィザードとほぼ同じ)、「前ダッシュ時に密着状態になる」という条件が加わるため、使える間合いはすこし狭くなります。

(4)の成立条件について細かく説明します。

  • 先述のジャイアントスイング成立条件を満たす
  • 6n4126n6n6で密着「走り状態」を作る ※走り状態を作る条件:6n6後、10F以内に3回目の6入力
  • そこから最後の6を2F以上伸ばしてLPを入力する

密着走り状態について、さきほどの密着シャイニングウィザード入力のことを思い出してください。

3回目の「6」と「LP」が完全同時では「前ダッシュ中☆6LP」入力となります。まだ「前ダッシュ状態」なのでジャイス入力は禁止されており、ただの6LPが出てしまいます(ニュートラルを挟んでいるので66LPではない)。

そして「6」入力の1F後に「6LP」だと、今度は「走り状態中LP」が成立することになりますが、もちろんそんなコマンドは無いので、代わりに立ち6LPが出ます。これは禁止されているわけではないと思いますが、立ち6LPがジャイアントスイングより優先されているようです。

ところが「6」入力の2F後にどうなっているかというと、密着から走り状態の技を出しにくくするための仕様により、通常立ち状態に戻っているのです。そこで「6LP」を入力すれば……そう、ジャイアントスイング成立です。

仕様上の説明としては「前ダッシュ状態からジャイスを出すルートは潰されているけど、一度走り状態を経由して、その後密着により走り状態が解けてから6LPだと出せちゃった」みたいな感じですね。

コマンド入力履歴の一例

(4)の諸条件をまとめると下画像のようになります。

ちょっと難しいですが、マスターすればシャイニングウィザードとジャイアントスイングの二択を仕掛けられるので頑張る価値はあるかもしれません。

ただし、鉄拳8では走り状態の仕様が変わってしまったためか、(4)の入力での前ダッシュジャイスは出せないようです。 ※理屈上(1)~(3)の入力は成立しそうですが、まだ分かりません

デカキャラの投げ

一部大型キャラ、特にジャック7は腕がデカすぎて若干モーションが見づらいです。

デカい分、動きも目立って投げ抜けはしやすいはずなのですが、自分も含め苦手な人もいるようなので一度試しに練習してみるのが良いかなと思います。

投げ抜けは視認に頼る分、アナログな面があり、ちょっとしたことで見えづらくなってしまうこともあります。

鉄拳TAG2のオーガの右投げ。右手とは……

鉄拳6の頃にあった「やたら暗いアザゼルステージで、真っ黒カラーのロジャー」のように、シャレにならないほどヒドイ場合はゲーム側で修正されたりしますが、体格・カスタマイズなども含めて、ある程度はプレイヤー側で対応していく必要があるでしょう。

5F投げ

かつて鉄拳シリーズでは「9WP」のような投げ技を入力する時、「9を8F引っ張ってからWP」と入力すると、見た目の発生を大幅に速く(5Fに)することができました。

いわゆるジャンプキャンセルというもので、鉄拳のジャンプ~攻撃の仕様を悪用した入力です。

7 or 8 or 9+ボタンといった入力をする時、たとえば「9RK」を「9を8F引っ張ってからRK」と入力すると、8F目まではジャンプの出だしのモーションが再生されるのですが、RKを押した瞬間に9RKの「9F目に」遷移するのです。

したがって、もし9RKが発生15Fであれば、この入力をしても発生は15Fで変わりませんが、9RKのモーションは9F目からいきなり再生されたように見えるわけです。

※厳密には見た目だけでなくモーションにも影響を与え、ものによってはジャンプの高さが低くなるといった変化も起きます

「多少入力が遅れても最速のFで発生するように保証してあげましょう」という救済措置なのですが、それが裏目に出た形ですね。

この5F投げはさすがに許されなかったのか、徐々に潰されていったのですが、たとえば鉄拳TAG2時点では「9~9WPはNGになったけど、9~nWPって入力したら出せた!」とかそういった抜け道がありました。

鉄拳TAG2 9~nWPで出すと5F投げに

鉄拳7時代に上記の入力もNGとなったのですが、まだ微妙に抜け穴が残っています。「8~9WP」などです。

昔とくらべれば入力はかなり難しくなりましたが、出せさえすれば非常に強力なので、まだ使い手がいるかもしれません。

実際にやられるとかなりキツく、上記の動画で見るより数段視認しづらいです。

なお鉄拳8ではジャンプの仕様自体も大きく変わるようですし、先にも書いたように全キャラのWP投げを「9WP」で統一するようなので、さすがにこのような穴は残っていないのではないかと思います。

裏技:見えなかったら特定のボタンを押す

ここまで投げモーション3種を見極めるという、投げ抜けの正攻法を説明してきましたが、逆転の発想で「投げだと思ったらとりあえずボタンを押す」という考え方もあります。

モーションを見切れなかったからといって、ボタンを押さないのはもったいないということですね。なにしろ投げ抜けの受付期間にさえ間に合っていれば、1/3の確率で抜けられるのですから……。

ヤマを張るならWPが本命でしょうか。WP投げは全キャラ持っていますし、威力面でも強力なものが多いです。

またこの考え方を突き詰めていくと、「モーションが見えた時は正しいボタンを押し、分からなかった時はとりあえず何かボタンを押す」というセコい発想に行き着きます。

自分の場合は見切れなかった時、一番速く押せるRPを入力するようにしています。WP投げはある程度、見極める自信がある……というのも理由のひとつです。

ゲーセンでジャック使いのプレイヤーと対戦して、対戦後に「右投げが一度も通らなかった……」と言われたことがありますが、自分はジャックの投げは見づらいと思っているので、よく分からなくてRPを押す機会が多かったからだと思います。

もちろん3択をきちんと見極められるに越したことはなく、適当にボタンを押すようになってしまっては本末転倒ですから、セコいことを考える前に練習しろという話ではあります。

見てからジャイスを抜ける?

投げ抜けの受付Fは20F間ですが、それは投げモーション・投げやられモーションの冒頭20Fでもあります。

キングのジャイアントスイングは、投げ掴みが成立した直後から特徴的な動きをするため、投げモーションの冒頭を見極めてLPを押せばいいのでは?というのがジャイアントスイングを見てから抜ける作戦です。

投げ掴みから5F目

10F目

これには反射神経も求められますし、難しいとは思いますが、実践しているプレイヤーもいるそうです。極めればシャイニングウィザード・ジャイアントスイング2択への対策になるかもしれません。

なおこの発想は他ゲーにも存在し、ソウルキャリバー1では「投げが発生16F、投げ抜け受付Fは13F、ただし投げ掴みモーションは同一で投げ抜けはA or Bの完全二択」という仕様でしたが、投げモーションが特徴的なキャラクターは、おなじ理屈で「モーション冒頭を見てから抜ける」というテクニックが存在しました。

数値的には鉄拳7のジャイアントスイングが発生10F+投げ抜け20F=合計30Fに対して、発生16F+投げ抜け13F=合計29Fなので近いですね。入力・表示遅延は少なかった時代の話ですが、それでもかなり難しいです。

この投げモーション冒頭の……
このあたり、左手の剣がわずかでも上がるのが見えたらAボタンを押して抜ける
(そうでなければBボタン)

おわりに

だいぶん長くなってしまいましたが、「見てから」投げ抜けをしたい場合の考え方・練習方法などはこのようになります。

反応しての投げ抜けを身につけておけば、たとえ100%抜けられなくても、投げによる崩しをかなり弱体化させることができます。相手が投げに来そうなところで立ちガードでどっしり様子見できると、あわててしゃがんでしまい中段を喰らう、といった事態も減るでしょう。

とはいえ必ずしもぼーっと立っているのが良いとも限らず、投げに来させて逆手を取る、といった戦術も成立するのが面白いところなのですが……。

鉄拳8でも、鉄拳7と同等の投げ抜け受付Fがありそう(しかも遅延は減りそう)なので、今のうちに鉄拳7で練習しておくと良いのではないでしょうか?

またミニゲーム感覚で「〇回連続で投げ3択を抜ける!」といった遊び方もたまには楽しいと思います。

今回の記事は以上となります。お疲れ様でした。

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